【講演テーマ】
SDGs達成を視野に、機能水による『まちづくり』を考える
~安全・安心なくらしと健康をサポート~
【講師】
高知大学 名誉教授 石川 勝美先生
【講演概要】
Ⅰ.社会ニーズ対応の研究リテラシー
- 種まき:
穀物の種の発芽勢を向上させ、かつ一定の播種深さで覆土・鎮圧を可能とする渦流を利用した空気圧送式施肥播種機を開発し、「密条うすまき・省力多収栽培法」を提案した。さらに消費ニーズに対応した高付加価値小麦生産に挑戦し、品種の選抜とバーナリゼーションを取入れた夏播き栽培技術を成功させた。
- 種を生かす水環境:
種子のバーナリゼーション法の成功には種子の生理的活性を図る水の機能性が欠かせない。各種岩石を供試した種子の活性化に関わる研究成果に基づき、生命力を引き出す水の条件を提示した。具体的にはミネラルバランスを有し、運動が活発な水、そして活性酸素消去能力を発揮する水等である。これらの条件は遺伝子発現機能を発揮させる上で、水の特異性を活かした「機能水」である。
- 機能水:
各種機能水があるが、2004年に日本機能水学会で取り上げられたものも含め、再現性と科学的根拠が必要である。2014年に水循環基本法が制定され、本年6月に改正案が成立したことから、今後、地下水マネジメントが可視化され、水の特異性に関わる水素結合をはじめとする機能水へのアプローチが具現化されることになる。SGDs達成には自然との共生を図ることと大きな関係があり、「水は自然の摂理の具現者」と言われることから、水の三態(気体、液体、固体)の本質を理解することが肝要である。
Ⅱ。水の特異性&機能水
- 水ってなんだろう:
水中で全ての生命が誕生し、その生命は水によって維持されている。その特異性は、①分子量は小さい割には融点・沸点が高い ②比熱が大きい ③蒸発しにくい ④4℃で密度が最大 ⑤表面張力が大きい ⑥多種類の物質を溶解等であるが、単にH2Oは純粋な水蒸気の場合であり、液体や固体は水素結合により他の水分子と分子集団を形成している。
- 生命を育む水:
細胞の水は自由水、凍結水、不凍水であり、振動に要する時間は極めて短い(例えば自由水:10-12秒)。温度一定でも非加熱で水は水素結合により水素結合を強めたり、切断したり内包された水の大きなエネルギーを利用できる。地球誕生により水の特異性や水媒体の性質が生まれている。不対電子形成能、水素結合形成能、分極性能等である。
- 水素結合エネルギー:
あらゆるところに水素結合エネルギーの働きが見られる。例えば、生物が呼吸する上で酸素が必要であるが、エネルギー代謝と酸化ストレスは密接な関係がある。不対電子形成において失われたペアを埋めてあげる働きが水に必要な所以である。海底資源や海水資源として注目される深海の電気エネルギーやメタンガス(メタンハイドレート)もその一例である。水素結合エネルギーに関わる、水の構造状態の変化をNMRやTSDC等最近の科学で説明できる意義は大きい。
Ⅲ。エルセ機能水
機能化維持には、電荷の作用を確保し、水素結合を強化して、水のエネルギーを下げないことであるが、エルセ機能水は特殊な岩石を用いてセラミックス化し界面動電処理を施すことにより、大量の水処理を可能としている。エルセ機能水が開発され、30年以上の研究実績もある。水の構造化を図り、抗酸化性、浸透性、溶解力の向上等、水の特異性を発揮させる機能水であることの意義は大きい。本水処理システムが水素結合を強化し、水本来の力を発揮できることから、SDGs事業達成に大きく貢献できる
以上
ホテル横浜キャメロットジャパン(横浜市西区北幸1-11-3)にて役員会の後、例会を開催しました。
新型コロナウイルス感染症防止のため中止・延期されてきた例会を、本年度初めて開催しました。
昨年9月に作成した新型コロナウイルス感染症防止策に沿って、講演会・懇親会の会場は通常開催する広さの2倍以上のゆったりとしたスペースを確保して、時間も短時間にして開催されました。
齋藤一郎会長よりご挨拶、斉藤昌喜副会長の乾杯の音頭で懇親会がスタートしました。
その後、多くの会員の方々からのご挨拶やトークで大いに盛り上がりました。
最後は大須賀毅副会長の音頭による締めで11月度例会は終了しました。