活動レポート

11月度月例会 令和5年11月20日(月)

【講演会】
講 師:麗澤大学 未来工学研究センター 教授 宗 健(タケシ)様

    AI・ビジネス研究センター長 博士(社会工学)

    著書「持ち家が正解」

 

 

 

 

 

 

 

演 題:コロナは不動産市場にどのような影響を与えたのか?

    ~住みここちランキングも交えて~

 

「講演概要」

・コロナは、社会にあまり大きな影響を与えなかった。不動産市場に対しては却って追風になった。

・テレワークで、地方や郊外に移動を検討している人だけでなく、都心や都会に移動を検討している人も増える傾向にある。

・東京都への人口流入は、増加傾向にある。

・インバウンド(外国人入国)は戻ったが、アウトバウンド(日本人の出国)は充分に戻っていない。

・テレワークは、年収の多いホワイトカラーのごく一部の人だけが都市部(東京都で23%程度)で実施している。実施できない人が圧倒的に多く、テレワークしている人としていない人の人的ネットワークは分断されている。

・テレワークは、意外と効率は悪い。それまで積み重ねてきた信頼関係を食いつぶすともいわれ、人間関係のできている人の間で主に利用される。ただプログラマーは例外である。

・これまでの世帯数増加のトレンドが、2022年頃をピークに世帯数減少のトレンドになり、大きな事業環境の変化といえる。世帯数減少は人口減少より緩やかで、最も減少率の大きい秋田県では凡そ人口減少30%、世帯数減少20%(2020→2040年)である。東京都では減少はほとんどない。

・持家率は、75歳以上では80%程度であるが、それより若い世代では年々低下している。東京都の持家率が45%程度と低いのは若い人が集まるからである。

・高齢化はますます進み、高齢化が進むと移動は減少する。また米国に比べて移動が少ないのは、米国は国土が広いこともあり引越しが多く、賃貸市場が十分に機能していないためである。また日本では1990年以降建替えなくてもよい良い家が建てられるようになった。

・タワマンは建てた方がよい。住民の幸福度は高い。神戸市はタワマンを建てておらず人口も減少している。

・コロナ後でも、出張と接待だけは元に戻らないだろう。

・自動運転車は都心には向かず、郊外と地方が適している。行って帰って迎えるといった動きで交通量が増えるためである。

・ChatGPTは嘘を返してくることが結構ある。しかし謝罪文や依頼文等の定型文には活用すべきである。最も使えるのはプログラムで、EXCELのVBA等には十分使える。

・住みここち(駅)ランキングの第1位は「みなとみらい」である。元々人が住んでいなかった場所なので低所得者がおらず、高所得者だけが住んでいるからである。

・長谷工アーベスト住みたい街(駅)ランキング推移では、2023年に横浜が1位である。2004年に4位になってから20年かけて1位になった。横浜駅東口の大開発が大きな要因である。

・居住満足度に大型ショッピングセンター(イオン等)が有ることが大きく貢献する。商店街を再生しても、住民が喜ぶとはいえない。

・都会は地方と比べてトータル的には居住満足度は高い。一極集中が止まらない理由である。

・高学歴で良い会社に入ることは、最も幸福度が高くなる確率を上げる。まだ大企業には終身雇用制が残っている。

・高齢者の幸福度は高い。最も低いのは48歳頃である。子供の教育等と関係すると思える。

・住まいが持つ3つの価値には、1.資産価値、2.使用価値、3.情緒価値がある。幸せの構造から見ると「住まい」は全体の22.8%(地域要素は14.7%、建物要素は8.1%)である。

以上

 

 

ローズホテル横浜 2F ザ・グランドローズボールルーム(横浜市中区山下町77番地)にて、役員会・講演会・懇親会を開催しました。

講演会後の懇親会では大須賀毅会長よりご挨拶、山田智也副会長の乾杯の音頭でスタートし、その後、多くの会員の方々からのご挨拶やトークが続きました。

最後は斉藤昌喜副会長の音頭による締めで本例会は終了しました。